AIを悪用した詐欺・不正アクセスに備える|小さな会社でできる5つの対策

AIを悪用した詐欺・不正アクセスに備える、小さな会社の5つの対策

「取引先から振込先変更のメールが来た。本物だろうか」「情報漏えいのニュースを見るが、自分の会社は何をすればいいのか」。パソコンに詳しい人がいないと、判断に迷いますよね。

まずは、同じパスワードを使わない、機器の更新を放置しない、お金に関する急な依頼は本人に確認する。この3つから始めましょう。難しい設定を一度に覚える必要はありません。

目次

AIが悪用されると、何に気をつければよい?

AIは便利な道具ですが、偽のメールや本人そっくりの声を作るなど、人をだます目的にも使われます。機器やソフトの弱点を探し、侵入する作業を速めることも懸念されています。FBIの注意喚起・オランダの公的機関による警告

つまり、「日本語が自然だから本物」「知っている声だから本人」とは限らないということです。AIで作られたかどうかを見抜こうとするより、確かめる手順を決めておきましょう。

総務省も2026年10月9日、不正アクセスによる情報漏えいについて注意を呼びかけています。不正アクセスとは、他人が許可なくメールやシステムなどに入り込むことです。ただし、この総務省の発表は、AIが原因だと説明したものではありません。 本記事でも「AIによる被害が何倍に増えた」とは断定しません。総務省の注意喚起

小さな会社で確認したい5つのこと

1. 仕事用メールのパスワードを使い回さない

ネット通販と仕事用メールに、同じパスワードを使っていませんか。一方からパスワードが漏れると、もう一方にも入られるおそれがあります。

まず仕事用メールを確認してください。メールを乗っ取られると、取引先へ偽の連絡を送られたり、別のサービスのパスワードを勝手に変更されたりする可能性があります。

できれば、パスワードに加えてスマホなどでも本人確認する設定を使いましょう。サービスによって「2段階認証」「多要素認証」などの名前があります。ただし、自分がログインしようとしていないのに確認通知が届いたら、許可しないでください。 確認用の番号も人に教えないでください。IPAの対策解説

「違うパスワードを全部覚えられない」という場合は、パスワードを作って保管する1Passwordなどの道具が役立ちます。私自身も使っています。ただし、保管するだけでは変更になりません。利用先の公式サイトで変更してから保存し、入れることまで確認します。

設定に不安がある場合は、無理に進めず相談してください。スマホをなくしたときに、どうやって再び利用できるようにするかも一緒に確認すると安心です。

2. パソコンやWi-Fiの機器を古いままにしない

更新には、新機能の追加だけでなく、他人に入り込まれやすい弱点を直す役割があります。Windowsやスマホの更新を、ずっと後回しにしていないか確認しましょう。

事務所でWi-Fiを使うための機器(ルーター)や、みんなでファイルを保存している機器も対象です。

自分で設定方法が分からなくても、まず「誰に確認すればよいか」が分かれば前進です。 設置した業者や管理している人に、次のように聞いてみてください。

この機器は、今も安全のための更新が提供されていますか? 更新作業は誰が行う契約になっていますか?

機器によっては更新中にインターネットや仕事が止まります。説明を読まずに初期化したり、分からない設定を変更したりせず、作業する時間と元に戻す方法を確認して進めましょう。IPA:小さな会社も対象の対策ガイド

3. 「振込先が変わりました」は、いつもの番号へ電話する

例えば、取引先から「今月からこちらの口座へ振り込んでください」というメールが来たとします。

そのまま振り込まず、以前から登録している取引先の電話番号へ、こちらから連絡してください。 届いたメールに書かれた番号は、偽物かもしれません。

電話がかかってきた場合も、声だけで本人と決めつけず、いったん切って、いつもの連絡先で確認します。複数人の会社ならもう一人にも確認を頼み、ひとりで仕事をしている場合は、本人確認が取れるまで送金を待ちます。「急いでいるから今回だけ」は例外にしないことが大切です。IPA:偽の取引メールへの対策

4. 大切なファイルは、消えても戻せるようにする

請求書や顧客の情報が消えたとき、戻す方法はありますか。バックアップとは、元のデータが使えなくなったときに備えて、コピーを残しておくことです。

Google DriveやOneDriveなどに置いていても、それだけで十分とは限りません。パソコンでの削除や、ファイルを開けなくする不正な変更まで、保存先へ反映される場合があるためです。

まず、管理している人に「昨日のファイルに戻せますか? パソコンが壊れても戻せますか?」と確認しましょう。試すときは、顧客情報を含まない練習用ファイルを、元とは別の場所へ戻します。大切なファイルをわざと消して試す必要はありません。IPAのバックアップ対策解説

5. ファイルを見られる人を確認する

顧客名簿や見積書を、必要のない人まで見られる状態にしていませんか。

ファイルの「共有」画面などで、退職した人や、契約が終わった外注先が残っていないか確認します。「リンクを知っている全員が見られる」という設定にも注意してください。

ただし、よく分からないまま全部の共有を止めると、仕事中の人も見られなくなります。誰が使っているかを確認してから、不要な相手を外す順番にしましょう。

今日は、この2つから始めましょう

  • 仕事用メール:ほかと同じパスワードを使っていないか確認する。追加の本人確認設定があるか、分からなければ確認を頼む。
  • お金のやり取り:振込先変更や急な送金依頼は、以前から知っている連絡先で確かめると決める。

今週中に、機器の更新、ファイルを戻す方法、共有相手も確認していきましょう。すでに不審な通知が届いている場合や、メーカーから緊急の更新案内が出ている場合は、そちらを先に対応します。

すでにパスワードを入力した・お金を振り込んだ場合

慌てず、何をしたかを整理してください。「メールのリンクを開いただけ」「パスワードを入力した」「スマホの確認を許可した」「添付ファイルを開いた」では、必要な対応が違います。

  • パスワードを入力した・不審な確認を許可した:問題が起きていない別のパソコンやスマホから、いつもの公式サイトを開き、管理者やサービスの窓口へ連絡します。パスワードの変更に加え、他人がログインしたままになっていないか、メールを勝手に転送する設定がないかも確認してもらいましょう。
  • パソコンの感染が疑われる:Wi-Fiを切る、LANケーブルを抜くなどして通信を止め、詳しい人へ相談します。調査に必要な記録を消さないよう、自己判断で初期化しないでください。
  • お金を振り込んだ:銀行などの金融機関と警察へ、すぐに連絡してください。

いつ、何が表示され、何をしたかをメモしておくと説明しやすくなります。顧客情報が漏れたおそれがある場合は、行政への報告やお客様への連絡が必要かどうかも専門窓口に確認します。個人情報保護委員会の案内

自分で確認するのが難しいときは

しんITサポートでは、仕事用パソコン・メール・Wi-Fi・ファイル共有の設定確認や、1Passwordを使い始める際の整理をお手伝いします。機器名や専門用語が分からなくても、「会社のメールが心配」「誰が設定したのか分からない」といった状態から、無料相談フォームでご相談いただけます。

パスワードや確認用の番号、顧客名簿を送る必要はありません。すでに被害が疑われる場合の詳しい調査や復旧は、利用先のサービスや専門窓口への相談が必要です。

関連:タイムズカーから情報漏洩の通知が届いた方へ

※2026年10月10日時点の公式情報をもとにしています。紹介した対策は被害の危険を減らすためのもので、完全に防げることを保証するものではありません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA



reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

目次