発注や在庫管理に追われているひとり社長さんへ。
少人数で仕事を回していると、こうした小さな作業が意外と時間を奪いますよね。
今回は 「在庫が減ったら仕入先にメール下書きを自動で作る仕組み」 をご紹介します。
GoogleスプレッドシートとGmailを使うだけで、毎日の確認とメール作成の手間を大幅に減らせます。
これを使えば、メールを一から書く必要がなくなり、うっかり発注忘れも防げます。
さらに「通知済みフラグ」と「自動リセット機能」を追加して、しつこい通知も防げるようにしました。
どんなことができるの?
- 在庫の一覧をスプレッドシートで管理
- 在庫数が「目安より少なくなった」商品を自動チェック
- 仕入先ごとにメールの下書きを作成
- メール文面は「発注依頼」の形になっているので、そのまま送信できる
👉 つまり「在庫を見て → メールを作って → 宛先を入力する」手間が丸ごと減ります。
スプレッドシートの構成
こんな表を作ります👇サンプルファイルは無料で配布しております。
商品ID | 商品名 | 単価 | 在庫数 | 補充目安 | 在庫金額 | 仕入先名 | メールアドレス | 通知フラグ | 通知日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A001 | りんご | ¥300 | 2 | 5 | ¥600 | 株式会社A社 | a@example.com | 通知済 | 2025/08/28 |
A002 | みかん | ¥200 | 20 | 10 | ¥4,000 | 株式会社B社 | b@example.com |
- 在庫数(E列) が 補充目安(F列) を下回ると、メール下書きを作成
- 通知フラグ(J列) に「通知済」と記録
- 在庫が補充目安を超えると、フラグと日付は自動でクリア
👉 ポイントは、仕入先のメールアドレスまで書いておくことです。
これで「誰に送るか」まで自動で判断してくれます。
在庫表イメージ

仕組み(プログラム)のイメージ
「プログラム」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、やることは簡単です。
Googleスプレッドシートには Apps Script(アプリスクリプト) という機能があり、そこに決まった文章を貼るだけでOK。
すると在庫を見て「足りない!」と判断されたら、自動でGmailの下書きができあがります。

自動で作られるメールの例
件名:
【下書き】商品発注のご依頼(2025/08/28)
本文:
株式会社A社 御中
いつもお世話になっております。
下記の商品について発注をお願い申し上げます。
【発注内容】
A001 りんご 30個(目安5)
ご対応のほど、よろしくお願いいたします。
---
※このメールは自動で作成された下書きです。
※送信前に宛先と内容をご確認ください。
👉 あとは内容を確認して「送信ボタン」を押すだけ。

📄 メールテンプレート付きスプレッドシートの使い方(手順)
① 初期準備
- サンプルスプレッドシートを自分の Google ドライブにコピーします。
サンプルスプレッドシート - メニューに追加されている 「発注通知」 → 「テンプレートを初期作成」 をクリックすると、シート内に「メールテンプレート」シートが自動で作成されます。
- 1行目はヘッダー(キー / テンプレート内容 / 備考)なので、そのまま残してください。
② メールテンプレートの編集
- 「メールテンプレート」シートの B列(テンプレート内容) を編集します。
- 件名を変えたいとき →
subject
の行を編集 - 本文を変えたいとき →
body_template
の行を編集 - 商品1行あたりの表記を変えたいとき →
item_line
の行を編集
- 件名を変えたいとき →
- C列(備考) にプレースホルダの説明が書いてあるので、迷ったらここを参照してください。
- 例:
{{items}}
=item_line
を商品数分だけ繰り返し、改行で結合 - 例:
{{id}}
= 商品ID,{{name}}
= 商品名
- 例:
👉 プログラムを触らなくても、メール文面はすべてスプレッドシートで調整できます。

③ 実行と確認
- 「発注通知」メニューから 「下書き作成(在庫チェック)」 をクリックします。
- 在庫数(E列)が補充目安(F列)を下回っている商品があると、
- Gmail の下書きにメールが自動作成される
- 通知フラグ(J列)に「通知済」と記録される
- 通知日(K列)に日付が入る
- 在庫が補充されて目安を超えると、通知フラグと日付は自動でクリアされます。
④ 自動化(オプション)
- スプレッドシートのメニュー「拡張機能 → Apps Script → トリガー」で、
dailyOrderCheck
を毎朝9時などに自動実行する設定も可能です。 - これで「毎朝 Gmail を開けば今日足りないものがすぐわかる」仕組みが完成します。
まとめ
在庫チェックや発注メールは、地味ですがとても大事な仕事です。
少人数やひとり社長さんにとっては、時間をかけずに正確に処理できることが一番の安心。
この仕組みを導入すれば、毎回5分かかっていた作業が30秒で済み、ミスも大幅に減らせます。
「もっと本業に集中したい!」という方は、ぜひお試しください。
👉 自分の業務に合わせてカスタマイズしたい場合は、お気軽にご相談ください。
コメント